渇いた花-1-

腹が立つ女だと思っていた。
高慢で世間知らずでバカな女だ、と正直いえば侮蔑の感情すらもっていたし、これがあのエルトシャンの妹なのかと思うと知れば知るほどがっかりで、台無しな気分だった。
顔は確かに整っているし、歩いているだけで生まれの、育ちの良さを感じさせるそのオーラは相当のものだ。
その小柄な体から感じるオーラは、不思議と人々の士気を高める力をもっている。どうして、人間的な魅力を感じないこの少女がそんな力をもつのかほとほとベオウルフには不思議で仕方がなかった。彼からすれば、ユングヴィのエーディン公女の方が何倍もそういう威力をもつ人間思えてしまう。
エルトシャンはよく出来た人物だった。親友なんてものとはほど遠かったけれど、一応エルトシャンを知っている自分としてはどうもあの男とラケシスが同じ女の腹から生まれたってことが信じられなかった。

「エルト兄様!」
ラケシスが一騎で飛び出し、エルトシャンを追っていこうとした。それを慌ててキュアンが止めるのが俺の視野に入った。
「駄目だ!君一人で離れては!どこに敵兵が潜んでいるかわからないのに!」
「エルト兄様っ!!」
その制止を振り切ってラケシスは馬を走らせた。放っておけばいい、と俺は思ったけれど。
エルトシャンの馬はあまりにも強靭な脚力をもち、そしてそれを操るエルトシャンもそれに相応しく。
追っても、追いつけない。それはラケシスが一番よくわかっていただろう。そのとき、俺の側で戦っていたフィンがわき腹に敵の一撃をうけて後退した。かなりの一撃で、手綱を握っているのが精一杯だ。エスリン奥さんは遠くでシグルド公子の回復をしていたし、エーディンはジャムカの後ろにいて、この混戦の場に入り込めない。
俺は慌ててラケシスを追って、背中から叫んだ。
「ラケシス!フィンを回復してくれ!すぐにだ。今すぐだ!このままじゃ死んじまうぞ!」
多分その俺の声が俺のものだと気づいてもいないだろう。
乱暴にラケシスは馬を止めた。
「お前がフィンを殺すのか!?」
振り返ったラケシスは俺を見ていなかった。ただ、俺の言葉に反応して、フィンの姿だけを探して馬を翻してきた。
追ってきた俺なんて見てやいない。ただ、反応しただけだ。
「馬鹿。お前が追っかけていってどうするってんだ・・・」
大方エルトシャンはシャガール王のもとに行ったのだろう。
そして、それはあいつの大きな賭けだ。そこにラケシスが介入する余地なんざ、ない。あの女は、自分の兄が選んだ苦汁の賭けを台無しにしようとしていたに違いない。
馬鹿な女だ。
あの男はどんなにお前を可愛がってくれたって、男として譲れない領域にお前が入ろうとすれば許すわけがない。そんなことすら気づかない、愚かな女だ。俺はそう思いながら砂煙が舞い上がる混戦状態の中心に戻っていった。
これが、俺がエルトシャンに出来る最後のことなのだろう。
そんな予感がした。
あの男は仕えるべき相手を間違ったし、それはすべてがあいつの責任とは言えない。
それでも、そうである自分に忠実でいたいと精一杯生きていた。
その男が、間違えてしまった主へのすべての忠誠に命を賭けようとしたのだ。・・・だったら、俺も、シグルド公子も、キュアン王子だって止められるわけがない。
ましてや、あんな愚かな女に。

それでも、俺が思っているよりはあの女は懸命に動いていた。
自分が今何をしなければいけないのか。それだけを探して、ある意味気が狂ったように誰も彼もを回復して、敵を非力な力で、慣れない剣で切りつけ、今までとの動きとは違った。その働きは心がないようにも思えるほどだ。
そうするしかないのだ、と俺は思った。
エルトシャンのために生きてきた女が、エルトシャンを失っても生きていくためには他の何かが必要なのだ。
何も出来ないこの女は、邪魔になりそうな場所で敵兵に切りかかり、まだ戦えると思っている兵の後ろからむやみに杖をふるう。アイラが声を荒げた。
「ラケシス、そこにいては困る!・・・お前は、クロード神父を助けにいく一軍に混じってくれ!」
誰に指示をする姿を見たことがなかったイザークの公女がそんな風に叫ぶなんて、と俺はちょっとだけおかしくなって苦笑した。
本気でラケシスが邪魔だったのだろう。
が、その指示はとても正確だった。海賊を相手にして、ブラギの塔、とかいう奇妙な建物の側にいるなんとか、とかいう神父を助けるために騎馬隊の半分が走り出した。エスリンがそこに混じっていないことにアイラは気づいた。
エスリンは後方で誰かの回復をしていて、多分、前方にラケシスがいたからラケシスが騎馬隊に加わってくれるものだと思っていたに違いない。
ラケシスは驚いたように顔をあげてアイラを見た。
「えっ」
「騎馬隊についていけるのは、お前だけだ!」
「あ・・・え、ええ!」
そこまで言われてやっと意味がわかったらしく、ラケシスは慌てて騎馬隊を追った。最後尾のミデェールの姿がまだ視界にはいっている。ラケシスはエルトシャンに鍛えられていたためか案外早く走らせることが平気だ。
「お前は。ベオウルフ。残るのか」
アイラは厳しい目で俺を見上げた。俺は肩をすくめ、
「俺は残る。誰も馬がいない、ってんじゃヤバイだろ・・・レックスじゃなくて悪かったな」
「つまらないことを言う男だ」
「つれない女だ」
そのとき、遠目にラケシスを二人の海賊が突然現れて囲んだ。
「ちいっ、隠れていやがったか」
俺が動くより早くアイラがそれに反応して走り出していた。あのイザークの姫はものすごい脚力だ。レッグリングとかいうマジックアイテムをつけているからだ、という。
アイラが飛び込んでいく前にラケシスは海賊に切り付けられて、血しぶきを飛ばした。それは俺の位置からでも赤色が見えたから間違いはない。それへ案外と冷静に剣でラケシスは切り返す。
「お」
そのとき、ラケシスの体を光が包んだ。エスリンが気を利かせたのだろうか?それからなぜか手の剣を持ち替えて自分から切り付けていった。その間に飛び込んでいったアイラがもう一人を叩き切る姿が見えた。

加勢するまでもなかった、と言ってアイラは戻って来た。
「そういえば、さっき笑っていただろう、わたしがラケシスに邪魔だ、といった時に。嫌な男だな、お前」
「それを見てたのか。あんたも相当だな、お姫さま」
アイラはつまらなそうに続ける。
「お前、ラケシスの側にいてやってるくせに、なんであそこで笑うんだ。無神経だな」
「ラケシスの側にいる?俺が?」
「そうだ」
「馬だから、だろ」
「違う。なんだ、お前気づいてないのか。それとも言い訳してるのか。言い訳ならやめろ。面倒な話は苦手だ」
「・・・あっはっはっは!」
俺はついに笑い出してしまった。このイザークの姫ほどの強さがあればよかったのに。ラケシスの傲慢さとはまったく違う。このお姫さまは別に俺が傭兵だからこんな物言いをしているわけじゃあないわけだし、話を簡単にしたい、というのがいつでも本音のようだ。
そこいらの貴族のお姫様のような、まわりくどい、自分の周囲に壁をつくるような高慢さではない。
何故だかその言葉はストレートで、ついつい俺のツボにはまってしまう。
よくもあのドズルの男がこのお姫様をおとそうと頑張っているものだ。
「悪い。本気で気づいてなかった。おい、俺はラケシスの側にいるのか」
「いる。・・・ラケシスの兄君が死んだから、お前が気を使ってやってるのかと思った。違ったのか」
「そーか。俺はあのつまらない女の側にいたのか」
「・・・」
アイラは不思議そうな顔で俺を見上げる。
つまらない、だと?と怒られるかなと思って俺はちょっとにやけてその様子を見た。・・・が、そのお姫さんの言葉は、更に俺を笑わせてくれた。
「つまらない女は嫌いなのか?」
「・・・・そりゃあ、愚問だろ」
「そうか。ではお前はわたしが嫌いなのだな」
「あんたは十分おもしろいよ。・・・それに、言う相手を間違うな。そんなこと言われたら、気があると思って襲っちまいそうだ」
「・・・?誰が誰を?」
「・・・勘弁してくれ、あんたおもしろすぎるぞ」
俺は笑って、エルトシャンが死んだあとだってのににやにやしていた。きっとこんなところをラケシスが見たら憤慨して、一生口もきいてくれやしないんだろうな、なんて思いながら。
人の生き死にには慣れている。傭兵でいる以上、今日の味方は明日の敵どころか、1秒前に話していた味方は、もうこの世にいないことの方が多い。
たまたま今回はそれが、エルトシャンだっただけだ。俺は自嘲気味に笑った。

シレジアに逃げ延びた俺たちシグルド軍は、ラーナ王妃の厚意でセイレーン城をまるごと借りることになった。太っ腹だ。
あのレヴィンがここの王子さんで、あの太っ腹なラーナ王妃の子供だとは想像もつかない。どうも俺はレヴィンのことは好きになれないようで、会話ひとつもまともに出来ないんだが。
部屋を各自あてがわれた。
こんな城に寝泊まりすることになるのも、まあ、悪くない。
「ベオウルフの部屋はここなの?」
「ああ、そーだぜ、踊り子ちゃん。あんたの部屋は?」
「むこう」
通路でばったり出会ったシルヴィアがちょっとだけ不機嫌そうに言う。愛想がいいこの少女にしてはめずらしい。
「なんだなんだ、ご機嫌ななめだな」
「例のお姫様がね、どうにもこうにもなのよ。フュリーもエーディンさんもさっ、気にかけてくれてるのに。何言っても部屋から出たくないみたいでさあ。苛々しちゃう」
例の、という言い方をするのはやっぱり不機嫌な証拠だ。
「仕方ねえんだろ?お兄様を愛していらっしゃったっていうじゃねえか」
俺はわざわざ嫌な言い方をした。
エルトシャンの妹があんな愚かしい女だと思うのが心底うんざりしていたからだ。
「どうしたらいいのかなあ?みんな困ってる。シグルドサマはさあ、ちょっと放っておけっていうんだけど。・・・死んじゃいそうなんだもん、あのお姫様」
「そんなに弱いかねえ」
「そう思わない?」
「さあな」
俺の返事に満足がいかなかったらしく、シルヴィアはちょっとつまらなそうに「ふうん」と言うと、くるりと歩いていってしまった。死んじゃいそう、か。確かに誰もがそれは思っていることなんだろう。
だってのに、不思議と俺は、それはないような気がした。
あんなにどうにもならなくて愚かしい女で。エルト兄様がいなければ生きていけない、なんてことを言って自分の剣で自害しそうに見えちまうのは間違いない。
つまらない女は嫌いだ。しかも、俺はどうも保護欲なんてものは皆無らしくて、どんな女だって弱い女にはまったく興味がない。・・・・だってのに、何度だってあの馬鹿なお姫さまを「あの女は馬鹿だ」なんて繰り返し思っている。そんな自分のこともちっとは知っている。
「冗談じゃねえ」
一人でつぶやいて俺は乱暴に部屋にはいった。
部屋の中は簡素だけれど質がいいシンプルな家具がおいてあった。この国の空気は気持ちがいい。まるでそれを形にしたような部屋だ。
「ま、こんなに気分いい部屋だったら閉じこもっていたって問題ねえだろうさ」
別に、深い義理なんてもんはない。
あのお姫さんが死にたければ死ねばいい。きっとあのシグルド公子は杓子定規に「親友の妹を死なせるわけにはいかない」なんてことを言うだろうけど。何も変わらない。誰が死んでも生きても、自分が生きているか、生きていないか。それだけが俺にとってのすべてだし、生きるってことはそれの連続ってだけだ。
他人のために命を落とすのもごめんだし、落とされるのも性に合わない。
そのとき、面倒なことにドアをノックする音がした。
「誰だ」
「あっ!」
その声はどうやらアイラの声だった。
「なんだ、お姫さんか」
ドアをあけるとびっくりしたようにアイラが立っていて、出ていった俺を見てまばたきをした。
「ベオウルフの部屋だったのか」
「誰の部屋だと思ったんだ・・・レックスの部屋か」
「そうだ」
「となりだよ。・・・・ヤルんだったら声はちっとは小さくしてくれよ」
「はあ?何を?」
「ん?やらしいこと」
「何故わたしがそんなことをレックスとするんだ?」
とアイラは本気で言って来た。どうやら相変わらずあの男はこのお姫さまを手にいれられないようだ。傍目からみて、本当にあの男はこの女を好きだということは誰だってわかる。本当はこの女もわかっているのにじらしている、そういうテクニックなのかと思ってた。けれど、そうじゃないとここ最近わかった。
「あんたが、遊べる女だったらよかったんだがな」
「さっきからわからないことを。・・・すまなかった、部屋を間違えてしまって」
「いいってことだ。・・・ああ、そうだ、お姫さん」
「・・・なんだ?」
本当はそういう風に呼ばれることが好きではないことくらい知っているけれど、俺はついついそう呼んでしまう。
「ラケシスの様子、どうだった?」
下手にいい人ぶっているエーディンやら、生真面目なフュリーだとかより、このお姫さんの言葉の方が面倒ではない。まあ、そんなことを思うのはこの軍でも俺くらいだろうが。(みんなアイラは少しズレている、という。俺からしてみれば他のやつらの方がズレていることが多いんだが)
「知らない」
「知らない、か」
「知る必要はない。みな困っているようだが、困った所でどうにもならないだろうし、一人の病は一人で治せばいい。治らなければそのままだろう。ただ、それだけだ」
「はっは、男らしい。あんたのそういうところは好きだ」
「つまらない女は嫌いじゃなかったのか」
くす、とめずらしい笑顔を見せてアイラはそう言った。たまにはこういう会話も出来るのだ、と知って俺も少し嬉しい。が、それからアイラは真面目な顔になって
「大切なものを本当に失ったなら、優しい言葉は意味がない。ラケシスが本当に兄君を愛しているのならば、私達のなぐさめなんてものは何の意味もないだろう」
それには、俺も賛成だった。間違いない。
今、あのお姫さまに必要なのはいたわりの声やら、押し付けの優しさやらじゃあない。
そのときふと俺は思い出した。多分、アイラのおかげだろう。
「ああ・・・あれは大地の剣か・・・使っていたな」
ラケシスは、エルトシャンからうけとった大地の剣をあのときふるっていたのだ。
あまりはっきりとは覚えていなかったけれど、剣をふるったラケシスの体を癒しの光が包んでいた。最初はそれは誰かからのリブローなのだと思っていた。が、よく見たらラケシスの手には大地の剣が握られていた。
ということは。
ラケシスは傷ついていて、そしてそれを癒す為に大地の剣をふるった、ということだ。
だったら。
あの女は死ぬわけがない。
兄の形見の品をすぐさまふるってまで、生きようとしているのだから。
あの、どうにもない愚かしい女でも。
俺は不思議と確信に満ちてそう思っていた。
ラケシスは、死にたくなくて、大地の剣をふるったのではないだろう。
生きる為に、大地の剣をふるったのだ。
「多分、そんな弱いタマじゃあねえな」

フュリーが食事をトレイに乗せて歩いているのを翌日みつけた。
「んだ?寝たきり老人でもいるのかよ」
「ラケシス様に・・・」
「・・・あー、放っとけよ、あんたも。なんてったって面倒だろ」
どいつもこいつも。そう思って肩をすくめたら、丁度フュリーの後ろの角からアレクが曲がって来たのが見えた。このナイトは、まあ、あんまりうでっぷしは強くないけど話がわかる男で助かっている。よう、と手を挙げようとしたらアレクから
「調度よかった。シグルド様が呼んでいるんだ、ベオウルフを」
「はあ?俺を?大将が?」
「おう」
嫌な予感がする。俺はフュリーに軽く手をあげてシグルド公子の部屋にむかった。

「はあ?ラケシスのお守り!?」
めずらしく俺は大声を上げた。
シグルド公子の部屋にいったらキュアン王子とその奥方までもが俺を待ち構えていた。勘弁してくれ、家族会議に加われとでもいうのか、と思っていたらそんな話だ。
「よりによって、俺に。いい加減なことはいわないでくれ、大将」
「いい加減なこと?わたしはいい加減なことをいうのは苦手なんだけど」
そういって笑う公子。でも、目が本気だ。
「人選間違ってるぜ、公子。ココロ優しいエーディンだとか、誠実そうなフュリーだとか。そーゆーのがうってつけだろ」
「お守りをしている人間の方がせつなくなってしまうようなのでね。君はそういうのが気になるタイプじゃあないだろう」
「言ってくれるもんだ」
食わせ者め、と俺は心の中で毒づいた。
「それに」
そういって言葉を続けたシグルド公子は実は底意地が悪い男なのかもしれない。次の言葉で俺は思いっきりそう思った。
「君は金で雇われているんだから、断るつもりはないだろう?」
「・・・あー、はいはい、確かにね。1万G分働いたとはまだ思っちゃいない」
くすくすと奥方が笑う。
「うふふ、正直ねえ、ベオウルフは」
「それだけがウリでね」
「それは嘘なんでしょうけどね。ホント、おもしろい人」
「そりゃ光栄」
とおどけてみせるとまた嬉しそうに若奥様は笑う。キュアン王子は本当にこの奥方にメロメロで、始終離れず一緒にいるようだ。お付きの従者も二人に当てられっぱなしでさぞかし嫌な思いをしているだろう。
「少なくとも・・・伴侶がいるような・・・わたしやエーディン(ジャムカとかなり前から公認なので)では、ラケシスの気持ちを逆なでしてしまうから駄目だと思うの」
「放っときゃいいじゃないか」
そういって肩をすくめるとシグルド公子は表情を変えないで言った。
「そして、わたしはそうできるタイプじゃないからね。申し訳ないことに」
「・・・あー、はいはい!」
俺はもう一度同じ返事を返す。にいさまったら、とエスリンが言うけれど公子はそっちを見ずに俺を見つめている。
「・・・わかったよ、だけど」
俺はくるりと振り返ってドアに向かって歩き出した。
「茶々や余計な詮索はしないでくれ。面倒だ。俺は俺のやり方でやる。あんたたちの口出しは御免だからな」
「ああ、わかった。すまないな、ベオウルフ」
「けっ、どこまでそう思っているやら」
どいつもこいつも、ラケシスのことばかり、だ。そんなのはあのお姫さまのために何ひとつなりゃあしないのに。
とりあえず、生きようという意志があったことだけは事実だ。他のやつらはそれを感じていないだろうし知らないから「死にそうで心配」なんてことを言っているのだろう。あの姫様にいることは、その次の段階だってことを誰も知らない。
今の彼女に必要なのは、生きることを履き違えないことだと俺は、もう知っている。
そんなことを考えがら挨拶もしないで俺は部屋を出た。
(・・・んだよ、俺も案外、考えていたんじゃねえか、ラケシスのこと)
そう思うことは少しばかり屈辱だった。


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モドル

すみませんねえ、馬鹿とか愚かとかうんざりとかひどいこといってて(笑)
あたくしが書くラケシスは全然弱くなく、心が壊れているわけでもなんでもないし、ベオウルフ×ラケシスも「俺がエルトシャンの代わりに守ってやらないと」だとか「保護欲をかきたてられて」みたいなものと程遠いところにあります。
ラケシスの最期を考えると、やはり彼女は強くなるべくしてなった女性だと思うので・・・。
まあ、一番心が強い女はブリギッドだと思っているんですがね。強くて、そして本当に美しいと。(←贔屓?)